【起業】会員システムって作ったほうがいいの?

みなさん、ポイントカード(メンバーズカード、会員証)ってお持ちですか?
今やお金よりポイントカードのほうがたくさん財布に入っているって人も多いと思います。

なんで各社はこぞって自社ポイントカードを作ってもらおうとするのか?
起業を計画する私たちは自社ポイントカードを作るべきなのか?
今回はそういうことを考えてみようと思う。

【ポイントカードの店舗側のメリット】

まずは起業ブログらしく、多くの企業がなぜポイントカードを作るのかを考えてみよう。

【顧客の囲い込み】

まず最初に思いつくのは顧客の囲い込みだろう。ポイントが貯まる、現金の代わりに使えるなど、
いろんな店を使うよりその店だけを使うほうがメリットがあるように誘導できる。

売上=客数×客単価
客数=既存顧客+新規顧客

ポイントカードはこの既存顧客に効く施策だ。

完全な新規顧客を9人に買ってもらうのと、
なじみの常連客(既存顧客)3人に3回ずつ買ってもらうのは
どっちが大変だろうか?
※ここで重要なのは“来店してもらう”ではない。“買ってもらう”だ。
  買ってくれた人だけを客数としてカウントできるのだ。

当然常連客に何度も再来店してもらうほうが集客コスト(チラシなど)もかからず、
ニーズも分かりやすいため、買上率も上げやすい。

ポイントカードはこの再来店の動機付けという点で非常に優秀なのだ。

ちなみに既存顧客を手厚くするのはもちろん大事なのだが、
一見さんお断りをしたほうがいいというわけではない。
既存顧客というのは何かしらの理由でいつかはいなくなってしまうものだ。
大まか年間20%くらいは何もしないと減っていく。
最低限減った分は補えるくらい新規顧客を獲得していかないと、いつか立ち行かなくなってしまう。

既存顧客に手厚いサービスをしつつ、常に新しいお客様を見つけ、新たな常連に育てること。
その両輪がそろって、初めて企業は継続ができる。

【顧客情報の取得とその分析】

お客様からすればちょっと怖い話かもしれないが、もはやアマゾンを筆頭に顧客情報を分析して商品ラインナップ・広告方法/内容などを最適化していくことは避けられぬ必須事項になってきている。
今の時代「だれでもいいからきてください!」という広告は役に立たない。

“だれでもいい”=“あなたじゃない”からだ。

「他でもない、あなたに来てほしい!」という広告を出すから刺さるのだ。
そのあなたを見つけるヒントになるのが会員の情報である。
会員情報が数十件・数百件あれば、自分の顧客の傾向(年齢・性別・何を買われているか)の分析ができる。

例えば
「ウチのカフェには10代の女性はあまり来ていないけど、30代の女性がよく来ていて、パンケーキをよく食べているなぁ」
ということが分かったら。
パンケーキを食べるような30代女性はたぶん婦人誌とかファッション誌をよく読んでいて、
友達を連れてきたくなるような(自慢したくなるような)おしゃれな空間を好む、
と推察されるので
ファッション誌やタウン情報誌などに“おいしいパンケーキと珍しい紅茶が飲めるお店”などと広告を打つと、効果があるのではないか?
という仮説を立てるができる。

あるいはinstagramのアカウントを開設して、
かわいい食器やラテアートなんかを投稿していけば、
今まで来てくれていなかった10代女性が来てくれるかもしれない。

長所を伸ばすか弱点を補うかは、あなたのゴール設定次第だが、
どうあれどこにゴールを設定したらいいかを考える一助にはなるに違いない。
余談だが、アマゾンはすごいらしい。
こんな人がこんな商品を買ったら、次は〇%の確率でこんな商品を買う、というデータが出てくるので、あらかじめその人の住所の近くの倉庫に対象商品を移動しておくのだそうだ。だから翌日配送が可能になっているらしい。
そんな情報が毎日どころか毎秒単位で蓄積していき、その予測精度がどんどん高まっていき、さらに売上が伸びていくという
金を稼ぐスパイラル構造ができている。行きつく先は電子の予言書か。

【資金調達】

入会金がかかるメンバーズカードであれば入会時にお金が入ってくる。
このお金は原価がほぼ0(カードの紙代くらい)、粗利率99%の超優良商品である。

お金というのは先払いの後回収が通常である。

(先にお金を払って)商品を仕入れて、お客様に販売して(お金を回収する)。
その差額が粗利益であるが、今重要なのはその順番である。
まず元手(資金)がないと商売ができないということである。

通常は働いて得た資金や銀行などから融資をしてもらって商売を行っていくが、
入会金制度はこの先払いの後回収の順番を逆転させる

CCCという指標がある。キャッシュ・コンバージョン・サイクルの略である。
要するに“平均して仕入れてから何日で現金化されるか”を数値化したものである。

通常の小売業で平均してプラス12日程度だそうである。
プラス、ということはマイナスにもなる。ラーメン屋などの飲食は材料や人件費の支払いが後になるから、マイナスになるらしい。
正直書きながら腑に落ちていないところはあるが、まぁそういうことらしい。

ちなみにアップルがマイナス20日前後、アマゾンがマイナス30日前後とのこと。

急成長している企業はこのCCCがマイナスになっていることが要因の一つとなっているらしい。

つまり商品ではなく現金が手元に常に豊富にある状態を作ることが出来れば、
新たな投資もしやすくなるので、成功に近づけるというわけだ。

話を入会金に戻そう。
入会金は商品購入と同時、あるいは購入前に手に入る現金である。
つまりCCCをマイナス方向へ動かせるもっとも手っ取り早い手段ということになる。

その入会金を払ってもよいとお客様に思わせるメリットを提示して、
お店のファン作りのきっかけにできると最高、ということである。



【ポイントカードの顧客側のメリット】

店舗側のメリットばかり書いているとバランスが悪いので、顧客側のメリットも少し書いておこう。
知ってるわ!という内容になるだろうが。

【割引】

ポイントってのはつまり、将来の割引だ。貯めるの好きな人も多いと思う。
そして貯めたまま忘れている人も多いと思う。期限があったりするので使えるときに使っておくべきだ。

【リコメンド機能】

商品情報の収集技術はどんどん進化している。数年前のアマゾンなんて
「掃除機買ったの!?じゃあこんな掃除機もおすすめだよ!?」っていうアホみたいなリコメンドばかりだったが
ディープラーニング技術がAIをかなり進化させたのか
「掃除機を買われたのですね。ではこういう商品もおすすめです」とついで買いしたくなるようなリコメンドをしてくれるようになった。
そこまでのリコメンド機能を備えた企業は少なくても、新商品のおすすめなど、有益な情報を手に入れやすくはなるはずだ。

【なぜ企業はポイントカードを作るのか】

色々書いてきたが、結局のところなんで企業はこぞって会員証を作るのかといえば、

顧客と企業がWinWinの関係になれるからだ。

企業はたくさん買ってもらえるし、
顧客は自分が欲しいモノをお買い得に買えて、自分用にカスタマイズされたおすすめリストが作成される。

形だけまねてもそこまで効果はないかもしれないが、よくよく考えて、
価値がある会員システムをくみ上げることができれば、それはきっと大きな武器となるだろう。

私も「その手があったか~!」と言われるような仕組みを思いつきたいものである。

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革ニキ Written by:

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