そうだ、起業しよう。 じゃあ商品考えようか

そうだ、起業しよう。 じゃあ商品考えようか

起業しようと思って、いろいろ調べて、こんな感じのにしようかなと少しずつ固まってきたあなた。
何を売ろうと考えていますか?どこからその商品を手に入れますか?

その商品はあなたのお店で買う価値がありますか?

今日はそんなことをつらつらと書いていこう。


【仕入と原価について】

売るものが無ければお店は維持できない。仕入先を探しに行こう。競合調査に行ったお店で買った商品の会社を調べてみたり、展示会に行ってみたり、自分で開発してみたり。いろいろな方法で商品を集めよう。
なんなら海外へ買い付けに行ってみてもいいかもしれない。
展示会って意外と誰でも入れたりする(もちろん一見さんお断りのものもあるが)。
名刺を準備して飛び込んでみよう。案外優しく話を聞いてくれるものだ。
で、

商売というのは粗利益の獲得とその分配がすべてである!

と誰かが豪語していた。
仕入れた金額(原価)と売った金額(売価)の差額が粗利益である。

そこから諸経費や人件費を引いたり、株の配当とかあればお店以外の利益・損失を計上したり、不動産とかあればその特別利益・損失を計算したりして
税引き前利益というのが決まって、そこから税金を引かれたものが純利益、とまぁそうなるわけだが、それは今回は置いておいて。

つまり、売価―原価の金額が大きくなればなるほど、利益が出しやすい体質になるわけだ。
一般企業のバイヤーたちはそれこそ血眼になって0.1円でも原価の低い商品を探し回り、取引先と交渉し、利益を勝ち取っていく。その世界に会社という看板を背負わずに飛び込んでいくのだ、我々は。
※いまだ原価の世界では1銭を帳簿に使う。すごいよね。

一般的な話をしよう。
小売店では原価率(原価÷売価)が30~50%ほどであることが多い。
飲食で30%が一般的なのだそう。
士業(会計士とか弁護士とか)や美容師など自分自身が商品である仕事の原価率は10%ほどとのことだ。

じゃあ、自分のところの原価率はどうしようかな、となった時、この一般的な原価率を必ず下回る、最悪でも同等になるような仕組みを最初に作ったほうがいい。

がむしゃらに頑張る企業が勝つのではない、儲かる仕組みを作った企業が勝つのだ。

日本にいるとあまり実感がわかないが、商品というのは売買する場所、売買する人によって値段が変わるものなのだ。
「(あの大会社さんには100円で売ってるけど)この商品は150円です!」ということが起きかねない世界なのだ。
で、
「150円だから、売価300円(原価率50%)にしようかな。あーでも、あの大会社で200円で売ってるから・・・180円(83%)にしよう!」
なんてしようものなら、大会社に売価150円にされて、あっという間に原価割れだ。売るだけ損のバカみたいな商品の出来上がりである。

大会社はその商品だけで利益を出しているわけではない。たとえその商品1個が赤字になったとしても他で利益が取れれば問題ない。
本気であなたをつぶそうとしたら、貴方が300円で出したい商品を98円で出すことだって可能なのだ。絶対勝てない。

だから、我々は考えなくてはならないのだ。

大会社が大会社ゆえに真似できない方法を。
あなたのお店でしか買えない商品を。
あなたという個人の価値を。

次で貴方の店でしか買えない商品=PB商品というものについて考えていこう。

【NB商品とPB商品】

NB(ナショナルブランド)とPB(プライベートブランド)という言葉を聞いたことがあるだろうか?
簡単に言えば、どこでも買える商品とそこでしか買えない商品だ。
カルビーのポテトチップスはNBだ。
セ〇ンプレミアムとか、なんとかバリューとか、ヨー〇ドー系列だったりイ〇ン系列じゃないと買えない商品がPBだ。

PB化の価値は大きく分けて2つある。

ブランド化(顧客の囲いこみ)

そこでしか買えない商品ということは、どんな価格をつけようと、どんな接客をしようと、そこで買うしかないということだ。
1本の缶コーラに1000円と値段をつけて、投げて渡したら、お客様は二度とあなたの店に買いに来てくれないだろう。
オリジナルパッケージの缶コーラを作って、マスター(あなた)がパチンと指をはじくと、机が開いてゴゴゴゴゴと出てくるような演出をプラスしたら、お客様は面白がって1000円払ってくれるかもしれない。

もし、本当に価値のあるPB商品を作ることが出来たら、あなたの店がどんなに僻地にあって、どんなに小さい店であったとしても買いに来る人はいるだろう。しかも何回も買いに来てくれる。ひょっとしたら新しいお客様を紹介してくれるかもしれない。
ブランドというのは本来そういうことではないかと、私は思う。
かっこいい名前を付けてそれらしい商品を揃えたらブランドだ!というのはいかにも素人だ。
PB商品のメリット一つ目だ。

低原価化

PBを作るためにはまとめがいをする必要がある。いついつまでに何個買うという約束を先にして、その分の商品をまとめて作る。

たくさん作ると1個当たりの原価が下がる、というのはイメージが湧くだろうか?
例えばくまさんの形のフェルトを作りたいとしよう。
かわいいくまさんの抜型を作ったら1000円かかった。その抜型代を回収したいと仮定する(利益は考えない)。
フェルトを10個抜いた。1000円回収するためには1個100円で売らないといけない。
フェルトを100個抜いた。1000円回収するためには1個10円で売ればよい。
そういうことである。

普通メーカーはどれだけ売れるかわからないから、少し利益を多めに乗っけて販売するが、PB化してまとまった数量を発注すれば、その分値引きをしてくれる。そうして原価を下げて、売価は一般的なNB商品と同じか、あるいは高く設定して粗利益を多く確保する。
それがPB商品のメリットの二つ目だ。

PB化のデメリット

PB化のデメリット、それは買取責任があることだ。順調に売れてくれれば高利益で顧客の囲い込みもできてとてもいい商品ということになるが、もし売れなかったら!(往々にして売れないのだこれが)
そっくりそのまま不良在庫に変身だ。
だから、こういうPB商品をメーカーに作らせることができる会社はそこそこ大きい会社に限られる。
1店舗で100個売るより、100店舗で1個ずつ売るほうが簡単だからだ。東京でも山口でも北海道でも、どこかで売れればいいのだからリスクも少なくなる。

だから我々小さい会社でPB商品を作るということは自分自身をブランド化して、

「あなたから買いたい」と言われるお店・商品だけを作り続けるということだ

そうすれば少なくとも、膨大な在庫に埋もれて、何がしたかったのかわからないようなお店にだけはならないはずだ。

【値下げ合戦だけは絶対にするな!】

ここまで読んでくれたあなたなら、もうお分かりになるだろう。小さい店舗において、値下げなんて百害あって一利なしだ。
あなたが上場企業で300店舗を束ねる会社の社長なら、ポッと出てきた危険分子の芽を摘むために、値下げ合戦をしかける意味はあるかもしれないが、我々は個性を大事にしたい優しいお店の店長なのだ。

大会社勤めの疲れたサラリーマンにちょっとした癒しを授け、そのお礼を頂くのが我々なのだ。彼らと戦ってはいけない。

【まとめ】

仕入先を探そう。ネットで調べるだけじゃなく、その足で歩いて調べるのだ。

「立って歩け、前へ進め。あんたには立派な足が付いてるじゃないか」とエドワード・エルリックも言っている。

粗利益というものを理解しよう。売価―原価=粗利益だ!商売とは粗利益をいかに得るかだ!
あなたオリジナルの商品・売り方を考えよう。小規模なPB(プライベートブランド)を生み出そう。
「貴方から買いたい」その言葉を聞くために

私も頑張ろう。