皆さんこんにちは、革ニキです。
以前デザイン思考について話をしたが、今回は少し趣向を変えて「アート思考」について考えてみたいと思う。ビジネスの世界でも注目を集めつつあるこの考え方、皆さんはどれくらい馴染みがあるだろうか?
アート思考とは
まず、アート思考とは何なのか。簡単に言えば、アーティストのような自由な発想と創造性を、ビジネスや問題解決に活かすアプローチだ。
具体的には以下のような特徴がある。
- 既存の枠組みにとらわれない思考: 「こうあるべき」という固定観念を取り払い、自由な発想を重視する
- 感性や直感の重視: 論理や効率だけでなく、感覚的な判断も大切にする
- プロセスそのものを楽しむ: 結果だけでなく、試行錯誤の過程自体に価値を見出す
- 多様性の受容: 異質なものの組み合わせや、予想外の展開を歓迎する
デザイン思考との違い
では、前回紹介したデザイン思考とアート思考は、どう違うのだろうか。
デザイン思考が問題解決志向で、ユーザーのニーズを起点に考えるのに対し、アート思考は価値創造志向で、作り手の内面や感性を起点とする。つまり
- デザイン思考:「この問題をどう解決するか」
- アート思考:「どんな新しい価値を生み出せるか」
という具合だ。
また、プロセスの面でも違いがある。
- デザイン思考:共感→問題定義→アイデア創出→プロトタイプ→テスト、という段階的なプロセス
- アート思考:より自由で流動的なプロセス。時に逆戻りや飛躍も許容する
どちらが優れているというわけではなく、状況に応じて使い分けたり、組み合わせたりすることが重要だ。
どういう場面でアート思考は役に立つか
では、具体的にどんな場面でアート思考が活きてくるのだろうか。いくつか例を挙げてみよう。
- 新製品開発: 既存の市場にない、全く新しい製品やサービスを生み出す際に有効だ。
- ブランディング: 感性に訴えかける独自のブランドイメージを構築する際に役立つ。論理だけでなく、直感的な魅力を重視することで、心に残るブランドを作れる。
- 組織文化の革新: 固定観念にとらわれない自由な社風を作り出すのに有効だ。社員の創造性を引き出し、イノベーションを促進できる。
- 問題解決の突破口: 従来の方法では解決できない難問に直面した際、アート思考的アプローチが新たな視点をもたらすことがある。
- 顧客体験のデザイン: 機能性だけでなく、感動や驚きを与える体験を設計する際に威力を発揮する。
アート思考は、ビジネスに予測不可能な創造性をもたらす。それは時に、市場を一変させるような革新的なアイデアの源泉となり得る。皆さんも、次にアイデア出しに行き詰まったとき、アート思考を取り入れてみてはどうだろうか。きっと、新しい扉が開けるはずだ。