ありがたいことに最近こちらの記事
【レザークラフト】オリジナル腕時計ベルトを作ろう
をよく見ていただいている。
あれからしばらく実際に使っていたのだが、どうも手作りだとバレる。
いや、別にバレてもいいのだが、なぜだろう・・・と思っていた。
このふくらみだ。
中に芯材をいれてふくらみを出しているわけだが、
前回はこれをやらなかった。
というわけで今回はこれをやろう。
【素材切り出し】
まずは素材の切り出しだ。
作成するのは2㎝幅、長さ7.5㎝のベルトである。
そこで
➀ベースパーツに2㎝幅
➁芯材は縫い代4㎜分狭めた16㎜巾のトコ革
➂かぶせパーツとして25㎜幅にカットしたパーツを用意する。
ここでベースパーツを2㎝を切り出したのは正直失敗だった。
作成失敗はしなかったのだが、ベースも25㎜で作っておいて
最後にカットして2㎝幅にそろえたほうが圧倒的に楽だった。
【漉き】
腕時計のバネパーツを通す穴の部分、革が重なる部分を漉いて薄くする。
前回は通す部分すべてを薄くするため15㎜程度漉いたのだが、
強度面に不安があったため、折り返し、貼り合わせる部分のみを漉くこととし、
漉き巾を5㎜とした。
実際は6㎜程度漉いて、最後に端を1㎜落とし、形を整えている。
漉きが苦手な私が考えついたちょっとした工夫である。
【圧着】
金属パーツ(ホック)が肌に触れないようかぶせパーツとトコパーツを
貼り合わせてホックを取り付けてから
ベースパーツを貼り合わせる。
全体にしっかり、かつ薄くボンドを広げる。
おおまかに張り合わせたら、コバ部分をしっかりと押さえる。
今回はコバ磨きの先端を使用して押さえた。
大量のオイルがしみこませてあるためか、
こすると一気に色が濃く、光沢が強くなった。
なるほどこれは面白い。
裏から見るとこんな感じ。
ちょっとズレた。
ストラップエンドで剣先を整える。
【穴あけ・縫製】
腕時計ベルトの時だけの私のこだわり、縫い代2㎜である。
通常の菱目打ち(3㎜~)では穴が大きく革端を切ってしまうので、
特注の2.2㎜ピッチで穴を空けていく。
これでもかなりギリギリ・・・
緊張の一瞬である。
前回はここで何個かダメにした。
今回は一発OKだった。成長を感じる。
縫い終わり。
【コバ磨き】
穴あけ・縫製で波打ったコバをヤスリで修正。
ヘリも削り砲弾型へと整え、トコフィニッシュで
コバを磨く。
おぉ、コバの色が濃くなって、カッコよくなった。
同じ要領でもう1本作製する。
こちらは肌にふれないし、長さの調節をしないといけないので、
金具は最後に取り付ける。
【完成】
時計に取り付ける。
取り付け方は冒頭にもリンクを貼った前記事を読んでいただきたい。
動画付きで説明している。
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実際に腕に当ててみて
ちょうどいい長さを探り、ホックを取り付ける。
いい・・・実にいい。
自動巻き時計のクラシカルな雰囲気も相まって
非常に高級感のある仕上がりになった。
これでもはや誰もこれが手作りだとは思うまい・・・。
余談だが、
なぜ前回のベルトが手作りだとバレるのか、であるが
作品の完成度以前に
「ホック式の腕時計ベルト」
は既製品では(おそらく)ほぼ存在しない。
微調整ができない市販品ほど売りにくいモノもないからだ。
そりゃーまず「手作り?」と疑うわけである。
さて、話の落ちもついたところで、今回はおしまいである。
それにしてもいい革を手に入れた。
大きな作品を作るのが楽しみだ。
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