これが俺の代表作だ!ミニマムサブウォレット!

コインケースに始まり、いろんな作品を作ってきた。

携帯ケースやロングウォレット、通帳ケースにブレスレットに・・・腕時計のベルト。

基本的に自分が必要なものを作ってきたからワンメイクというか、あまり同じ作品を作ることがないのだが、
それじゃあ仕事にならんよねと、作り始めたのがこの財布。



それまでコインケース(with Suica)とロングウォレットの二刀流で、フラッとどこかに行くときはコインケースだけ持って・・・
ってのが私のスタイルだったのだが、たまーにSuicaにも残高が無く、小銭もほとんど入ってない・・・ってことがあり、
やっぱりいくら小さくても“お札”と“小銭”と“カード”は要るなって。そう思って設計を始めたのが始まり。

ベースは小銭入れ。お札はいざという時にしか使わない。わざわざ開かないと使えない形にはできないから小銭入れが外側についていて
札入れはポケットに入るように三つ折りに。
カードスロットはどこに付けたら邪魔にならず、かつSuicaが読み込めないほど奥まらないようになるか・・・。

まずは型紙で試作品を作って折りたたんでみて、ハガワで実際に2,3試作品を作って。

やはり革は厚さがあるから、2枚縫い合わせて折りたたむとズレが出る。内輪差というか。

一般的な解決策は最初から半分くらい折りたたみながら貼り合わせり、内側と外側の革の長さを変えてみたりってのがあるが、
それってつまりなんらかの縫製技術が必要で、
誰でも失敗なく作ることができるっていうワークショップ向きの作品から離れてしまう。

で、結局どうしたかといえば、なくすことにした。

別にお札を挟むのに同じサイズの革を2枚使う必要はなかったのだ。

コインケースとフラップの2か所でお札を挟むことでお札はしっかり固定できた。さらに革を1枚分省略できたので、厚さが減り、従来のコインケースとほとんどサイズ感も変わらない。

コインケースが外側にあるので、ポケットから出して開くことなく小銭を出すことができる。
Suicaを入れているから、コンビニなんかではもうピッで終わることも多いが。
↑これ、BASEで売ってます。↑


で、これが今私が使っている最新作。
従来はすべてのパーツを1㎜厚で作っていたが、コインケース部分だけを2㎜厚に変更してみた。
以前より厚さが出てしまうが、その分しっかりとして安心感がある。
これは好みがあるからより薄い財布を求めるなら従来のすべて1㎜厚で作ったものがいいと思うが、ザ・革小物という雰囲気があって、これはこれで私は好きだ。
おそらく使い込んでいけばもう少ししっとり落ち着いた佇まいになるだろう。楽しみだ。

私の今の気分はこういう

完成度が高く・実用的で・誰でも作りやすい

作品を考えることに向かっている。

以前は誰にも真似できないような超絶技巧を手に入れようと頑張ったこともあったし、
今でもそういうのは好きだが、自分に向いたレザークラフトというものを考えた時に
「考えられたレザークラフト」
ってのが、よいんではないかなと、そう思っている。

ちょっと“考えられていて”便利。
ちょっと“考えられていて”作りやすい。
ちょっと“考えられていて”完成度が高い。

そういう作品を作っていって、お客様が楽しんでいってくれれば幸いである。


革ニキ: